屋根修理に火災保険は適用されるの?

皆さんは、ネットやチラシなどで、「火災保険を使って、屋根修理を無料で!」という広告を目にした事はありませんか?
実際に、現在皆さんが加入されている火災保険を利用すれば、実質無料で屋根修理を行う事ができる可能性があるのは事実です。
しかし、ここで「できる可能性がある」と言ったのには訳があります。
というのも、火災保険は「風災」と認定される事ではじめて適用されるからです。
ちなみに「風災」とは、台風や強風、大雪や雹(ひょう)などの自然災害による被害の事を指します。
言い換えると、「経年劣化で自然と痛んでしまった屋根の修理には保険は適用されない」のです。
例を挙げてみると、「新築から20年が過ぎて、うちの屋根もだいぶボロボロになってきたな〜、そろそろ屋根修理を検討するか!」と考えている方には保険は適用されないのです。
山田工芸でも、台風や強風などで屋根が破損して修理の依頼を頂いた際に、火災保険利用の相談を受ける事がよくあります。
その場合、お客様の負担を少しでも減らせるように、保険申請についてのアドバイスはさせていただいております。
しかし、最初から「保険を使って無料で修理しましょう!」や、「絶対保険が使えるから保険を使いましょう!」といったような事は絶対に言いません。
では何故、「保険を使って、屋根修理を無料で!」というような広告が出回っているのでしょうか?
火災保険の利用を悪用した、悪徳業者の手口を見てみましょう。
「保険を使って、屋根修理を無料で!」と謳う、悪徳業者の手口
繰り返しになりますが、上述のように屋根修理に火災保険を利用する場合は、あくまでも「風災」に対してのみ適用されます。
経年劣化による破損には適用されません。
なのに何故、悪徳業者は「保険を使って、屋根修理を無料で!」と謳っているのでしょう?
理由は簡単です。
最初から火災保険の利用を勧めるような業者は、実際には保険が適用されてもされなくてもどちらでも良いのです。
目的は、「無料という言葉をチラつかせて、契約を結ぶこと」、そこに尽きるのです。
火災保険の申請を行うと、加入している保険会社のアジャスター(調査員)が現地調査に訪れます。
そして、現地調査を行なった結果から、保険が適用されるかどうかを保険会社側で検討するのです。
つまり、屋根修理業者側で「絶対に」「確実に」保険が使えるなどと、断定できる理由は何も無いのです。
悪徳業者からすれば、「契約を結んで早急に工事を終わらせてしまえば、家主には支払いの義務が発生する」、そこが重要なのです。
家主側からすると、支払いの時点で保険が適用されて保険金が受け取れていればラッキーなくらいで、もし保険が適用されなくても、悪徳業者に「工事は完工してるので支払いはしてくださいね!」と言われるだけなのです。
「無料」という甘い罠で契約を結ばせ、工事さえ適当に終わらせてしまえばその後は知らぬ存ぜぬ。
それが、「保険を使って、屋根修理を無料で!」と謳う業者の正体です。
最初から火災保険の利用を勧めてくるような業者と、確実に適用されるのかわからない火災保険をアテにして契約を結ぶような事は絶対してはいけません。
山田工芸では、火災保険の利用を検討されている方にはアドバイスを行なっておりますが、最初から火災保険の利用を勧めるような事は絶対にいたしません。